(21)
このように、クラシック音楽(classical music)を楽しむと言うことは、くつろいで聴いていても、意識にとってはかなり忙しい作業です。けれども、音楽にを聴く時に主に働く脳の部分は(ここでは一応右脳としておきます)、普通に言葉を使って仕事や勉強をするときに主に働く部分(ここでは一応左脳としておきます)とは異なると言われています。そして音楽を聴いて(listening music)右脳を使うような意識を働かせている間は、仕事や勉強で疲れた左脳を休ませる効果があると言われています。したがって言葉のないクラック音楽を聴くことは、脳のふだんは酷使されている左脳をリフレッシュ(refreshing)させるとともに、ふだんはあまり使われない右脳を発達させる効果があるのだそうです。
(注:脳は多くの部分に分かれていて部分によって主な機能が異なることは確かですが、右脳と左脳について一般的に興味本位で言われている説には確認できていないものが多いようです。)
歌(songs)を聴いたり歌ったりしても脳のリフレッシュになると思われますが、やはり歌の場合はどうしても主に歌詞という言葉に対して意識が働きますので、ふだん使っている脳の部分を十分に休ませることにはならないかもしれません。
これは私個人の経験に過ぎませんが、疲れているのだけれども神経が高ぶって寝られないというときに、音楽を聴くと間違いなく安眠できます。この場合も歌よりもクラシック音楽の方が効果があります。歌の場合は歌詞という言葉を聴きとって理解しますので、疲れている脳の部分をさらに働かせて興奮させてしまうことがあるのでしょう。
歌でもそうかもしれませんが、クラシック音楽は寝ているときでもある程度は脳には聞こえているようです。眠ってしまって聴いていなかった場合でも音楽が終わるとそれに気付いて目覚めることがよくあります。もちろん、そのままじっとしていれば直ぐにまた寝てしまうのですが。また、私の場合はさらに、自分では聴いたことがないはずだと思う曲なのに、聴き覚えがあると感じることが時々あります。おそらく眠っている間に掛かっていた音楽が、知らないうちに脳に記録されているのではないかと思っていますが、確かではありません。もしもそうだとすれば、これは一種の睡眠学習(sleep learning)のようなものですね。