2010年11月14日日曜日

classical music_listening music_string quartet_Haydn_Beethoven

(34)
そして19世紀の初めには、ハイドン(Haydn)に代わってベートーベンがこの分野を手がけ始めます。そしてまず作品18と呼ばれる6曲(第1番~第6番)から成る弦楽四重奏曲群を作曲しました。これらの中にはハイドン、モーツアルトの作風の影響が残っているものもあると言われていますが、それでもベートーベン(Beethoven)独特の美しさや味わい(特にポリフォニー、ダイナミズムの変化の活用など)も現れ始めており、いずれも緊張感のある良い音楽になっていますので、十分聴くに値します。

中期のベートーベンは5曲(7番~11番)の弦楽四重奏曲(string quartet)を残していますが、これらはもうハイドン、モーツアルトを完全に超えて、誰の追随も許さないほどの独自性があり、しかも1曲ごとにかなり性格の異なる名曲揃いです。この時期の曲に共通する特徴を大雑把に述べると次のようなものです。これらの曲の緩い楽章では、たとえば弦楽四重奏曲第7番(ラズモフスキー1番)第3楽章、8番(ラズモフスキー2番)第2楽章、第9番(ラズモフスキー3番)第2楽章、第10番(ハープ)第2楽章、第11番第2楽章に見られるように、聴くものに語りかけるようでもあり、あるいは問いかけるようでもある、叙情的あるいは不思議な美しさを持つ味わい深いメロディーが現れます。一方速い楽章では、切迫したムードと明るいムードのコントラストやリズム、テンポ、ダイナミズムの迅速な変化などが現れます。これらの曲は後期の曲の独自性にはかなわないという面もありますが、後期の曲にはない魅力もありますので、盛んに演奏され聴かれています。

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