2010年11月16日火曜日

classical music_chamber music_Beethoven_listening music

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ベートーベン(Beethoven)の後期の12番から16番までの5曲は、中期の弦楽四重奏曲群からさらに14年余り後の作曲ですが、いずれも思い通りの構想と表現で作曲されたベートーベンの最後の傑作群です。上で述べたベートーベンの特徴をすべて備えた上で、さらに高い境地で作曲されたものと考えられています。取っ付き難いという印象を持っている人も居られるようですが、どの曲にも始めて聴いたときから感動するような部分が必ずありますので、そこを手がかりにして何回か聴けば徐々に全体が味わえるはずです。一言で言えば極めて美しい音楽です。おそらく一生聴いても飽きないと思います。

ベートーベンにはこの他にピアノ三重奏曲、バイオリンソナタ、チェロソナタなどの名曲もあります。

ベートーベンの弦楽四重奏曲(string quartet)が、後世の作曲家達の挑戦を退けるような名作揃いなので、多くの作曲家は、2、3曲作ってみただけで諦めてしまったようですが、シューベルト(Schubert)とドボルザーク(Dvorák)だけはかなりの数の弦楽四重奏曲を作曲しています。

シューベルトの弦楽四重奏曲第13番(ロザムンデ)と14番(死と乙女)は十分聴くに値する名曲です。また、この他にシューベルトにはピアノ5重奏曲(鱒)およびピアノ3重奏曲第2番という名曲もあります。これらの曲では、歌曲の伴奏を聴いても分かる通り、シューベルト独特の実に簡潔でさわやかなピアノが生かされています。

ドボルザークには多くの室内楽があります、弦楽四重奏曲では一般に「アメリカ」と呼ばれている曲が比較的聴く機会が多いです。独特の雰囲気を持つすばらしい曲です。ピアノ五重奏曲「ドゥムキー」も割合よく聴かれています。この他にも名曲と言われる室内楽曲がいくつかありますが、あまり聴く機会はありません。

ドビュッシーとラベルには1曲ずつ弦楽四重奏曲がありますが、どちらも独特の雰囲気があってなかなか良い曲だと思います。

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