2010年11月12日金曜日

classical music_chamber music_conductor_string quartet_listening music

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室内楽について
本ブログの対象となっている音楽は、主に交響曲、交響詩、協奏曲などと呼ばれる本格的なクラシック音楽(classical music)が中心ですが、その中に一般に「室内楽(chamber music)」と呼ばれるものがあります。これについては馴染みのない方も居られると思いますので、少し詳しく説明しましょう。

室内楽の確立された定義は無いようです。40人ものメンバーが居て指揮者も置いているような楽団でも室内管弦楽団とか室内合奏団という名称が付いていたりしますが、ここでは2人から10人程度の奏者が指揮者(conductor)なしで演奏する音楽を室内楽と考えています。元々はごく小さな場所で身内や友人同士で演奏されていたことから「室内楽」という名が付いたと言われていますが、現在ではかなり大きなホールで公開演奏されることが多いです。室内楽は、もっと大きな編成で行なわれる演奏とは違って、個々の楽器の音が際立って聴き取れることと楽器編成の違いによる音色の違いがはっきりして興味深ことが特徴でなかなか魅力があります。通常は指揮者なしで演奏されますので、奏者は合奏技術について特別の訓練を受けるのだそうです。

室内楽の楽器編成は様々です。二重奏から10人程度の合奏までを含み、楽器の組合せもいろいろありますが、最も楽曲が多いのは弦楽四重奏(string quartet)です。これはバイオリン2人、ビオラ、チェロの四人で演奏されるものです。これは楽器編成の種類別の曲数で見るとクラシック音楽の中でも管弦楽に次いで大きな分野となっています。

四つの弦楽器の組合せは、基本的にはバイオリンが高音、ビオラが中音、チェロが低音を受け持つ形をとり、メロディーの受け渡しをスムースにするためにバイオリンが2つあることなど、作曲上都合のよい組合せであることはもちろんですが、この編成の魅力は、何と言っても、同じ弦楽器でも楽器によって音色が異なることに加えて、各楽器の奏法によってもかなりの幅で音色や表情が変わること、特に弦楽器の音色が独走の時と合奏の時でかなり異なることなどを利用して、同じ弦楽器の組合せであっても幅広い音色の変化を出せること、ピチカート奏法を利用してリズム楽器としても使えることなど表現力の幅が広いことと共に、それでも弦楽器同士であるが故に各楽器の音は調和しやすいことでしょう。

弦楽四重奏の外に、数はそれほど多くはありませんが、弦楽5重奏曲、6重奏曲、弦楽器の組合せにピアノや管楽器が1つだけ加わった5重奏曲や四重奏曲、三重奏曲などにも名曲があります。

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